私の作品          尾毛一美 小脇信夫 坪内順子 古本比呂子 吉田隆世

毎月一回、女性五人のグループ句会「おんな星」を開き、楽しい一時を過ごしております。今回は五月、六月の作品の中から、各自六句ずつ選んでみました。
季節と生活感溢れる作品で、読者の皆様も目のあたりに情景を感じとられることでしょう。


坪内順子

父の忌や孫も習いて手を合わす

君子蘭くんしらん揃いて咲きぬ両隣

むかし事母は忘れて落椿

近江旅黄金の麦が待っており

梅雨晴間母の味真似豆を煮る

かけ走る二才の孫や夏座敷


吉田隆世

八重桜写し湖北の水静か

道の駅小鮎煮る香に長居する

救急車遠くに聞いて花疲れ

父在らば器用に抜かん鮎の骨

薄物うすものの母吾を待ちうとうと

剪定の甲斐なくのびる若木かな


古本比呂子

筍でメニューいろいろ夕餉かな

初夏の山鳥笛吹けば鳥返す

登山道川面をすべる竿さばき

大輪の真紅のバラや香りたつ

野の花が今日は主役の夏花展


尾毛一美

喧噪けんそうを離れみどりの茶会かな

統合し母校の後地桜咲く

風つよく矢車だけが空回り

手漕ぎ舟すすめばよしきり迎え鳴く

郭公かっこうの初音や心地よき寝醒め

杜若かきつばた女王らしく競い咲く


小脇信夫

ものの芽やすべて優しさ含みおり

いつからか仕舞いしままの武者飾り

藤棚へ風紫をかけてゆく

マドンナの如く芍薬しゃくやく咲きはじむ

そこここに忘れな草の星座めく

梅雨近し朝日はうすき絹を着て