第21回石川滋賀県人会総会について         文責 岡田 稔

 今年も新型コロナウィルスの感染が昨年から続き、厳しい環境の中でしたが、皆様のご協力と感染防止対策を徹底して開催することが出来ました。ご協力ありがとうございました。

2022年2月13日(日)金沢勤労者プラザにて会員14名と委任状15名のもと開会しました。

 まず、杉本会長の挨拶では、昨年の11月で当会が20周年を迎えたことを会長作成の別添資料をもとに、要点を簡潔に説明されました。説明は淡々と言われましたが、不肖司会が「杉本会長は実質、この会の生みの親であり、育ての親であります。また、機関紙三方よしでは、近江町市場の由来の投稿が、尾山御坊看守寺の会員様からの別の視点での投稿と符合することから、その名称の由来が理解できるなど、滋賀県や石川との関係でもたいへんご尽力されています。」旨、紹介と感謝を申し上げました。

 議事に入り、各担当理事や監査理事より2021年事業報告と収支決算及び監査報告され、一括承認されました。今回もコロナ禍のため故郷訪問ツアーは中止になりました。次に2022年役員改選では、全役員の留任のご承認を得、一方、2022年事業計画案及び予算案では、故郷へのバス旅行は10月に米原方面(松尾寺・霊仙三蔵記念堂・国友鉄砲記念館)への計画案で承認されました。今年こそは、コロナ禍もおさまり、故郷訪問ツアーで会員の再会交流が出来ますよう祈るばかりですね!。

 その後、今や恒例になっています講演会に移り、田島茂代様から「声楽の可能性 銭屋五兵衛のオペラへの想い」と題してパワーポイントによりご講演頂きました。筆者流独断でまとめましたが、ご本人のご了解を得てレジメを報告します。

 

講演:「声楽の可能性 銭屋五兵衛のオペラへの想い」 田島 茂代

 第1章 これまでの活動

   彦根東高等学校から東京芸術大学に進学され、その同期には、かの有名な葉加瀬太郎がいたことを写真
  で見(魅)せられ、一同どよめき。大学3年生の時、「楽譜から音は再現できるが、それは創作ではない」
  ことに悩む。しかし、声楽のソプラノで同期トップで卒業したとの事、素晴らしいの一言ですね。
   その後、2年間のドイツ留学では、ドイツ歌曲、宗教曲そして今も写真所持する著名な大恩師のもとオペ
  ラ舞台を経験し、学び今日に至る。

 第2章 声楽を学ぶ魅力

   オペラの発声とは、咽頭や肺の相互活動であるが、実際は全身が有機的につながる全身運動であることを
  人体模型図から説明され、納得とともに、健康で長生きの秘訣だと確信する。

   一方、声楽では、「楽譜を読み解き、覚え、身体をコントロールする」といった脳トレだと明言され、
  先の全身運動とともに頭も働かせねばと身震いする。

   そして、「やりがいがあること」と言われ、色々な取り組みを通じて、次代を担う子どもたちへの熱い
  気持ちが伝わってきました。

 第3章 「あいだ」について

   この言葉は、「感動のメカニズムへの探求」から出てきた言葉とのこと。「音楽と空間の関係について」
  が田島様の博士課程のテーマであります。

   かみ砕いての説明では、空気の振動が聴衆に「感動」を与え、演奏者との様々な「あいだ」には作曲家、
  詩人・台本作家、共演者、演奏空間そして聴衆があり、その聴衆の深層心理との交流があるとのこと。この
  「あいだ」へのたゆまざる探求が今後も続けられるものと感じられました。ある意味哲学的でした。

 第4章 金沢とのかかわり

  2012年 来沢    2016年 初オペラ

  2018年 サルーテ(一般社団法人金澤芸術文化交流ネット)オペラで「北風と太陽」公演

      「サルーテ」とは一般社団法人金澤芸術文化交流ネットの愛称で、当法人の目的は、芸術文化の
      普及と支援並びに人材育成を図ることとされ、軸足としてオペラ製作と幼児音楽教育に重点を置
      いて活動されています

  2019年 「泥棒とオールドミス」公演

  2020年 「タキシード伯爵〜モーツアルト美味しい」初創作オペラ

  2022年 「海翔る龍〜銭屋五兵衛と北前船」今回の創作オペラ

 第5章 「海翔る龍〜銭屋五兵衛と北前船」への想い

   サルーテオペラとして「子どもたちの地域への誇りをもつきっかけ」を願い、新たなオペラを制作した
  もので、今後、学校公演を開催していく。このオペラへの想いの一つは、銭屋五兵衛が誤解されてきた事
  実を正しい歴史認識にすることであるとのこと。田島様は、この五兵衛の女房役として出演され、銭五を
  支える役どころが見どころですね。是非、ご覧あれ!。

 第6章 田島様の目標

   最大の目標は、バッハを歌える合唱団を石川につくることとのこと、大いに応援しましょう。

 第7章 まとめ

   田島様のパワーポイントによるわかりやすい説明の中で、発声の身体の仕組みでは、同じ発音に全く異な
  る音を実演され、思わずもっと大きな声で歌って欲しいと思ったものです。

 

   一方、後になりましたが、当日のお茶菓子に二人の女性理事のアイデアで、お菓子には、「銭五の夢」と
 「哲学散歩せんべい」が準備していただきましたが、今回の講演にピッタリのお菓子でした。たいへんありが
 とうございました。

 

 〈追記〉 当会設立20周年記念として、近江八幡市のたねやのバームクーヘンを会員全員にお渡しするよう手
 配していますことを申し添えます。

 

 石川滋賀県人会活動履歴

 

     総会風景                                講演会風景