田島茂代さんのソプラノリサイタル            杉本 寛

去る6月15日金沢市アートホールにおいて石川滋賀県人会の会員である田島茂代さんのソプラノリサイタルが開催されました。田島さんについては多くの方々がご承知のように彦根東高を卒業後、東京芸大声学科卒業時松田トシ賞を受賞。同大学博士課程満期退学後ドイツに留学、ミュンヘン国立音大マイスタークラス終了。以降国際コンクールで数々の受賞履歴があります。滋賀県文化奨励賞受賞、二期会会員でもあります。国内外での活躍のレパートリーはバロックから現代曲まで、宗教曲、ドイツリ−ト、日本歌曲、オペラと大変幅広い。

 6年前金沢に移住して以来北陸を中心に東京、滋賀県、愛知県でオペラを中心に活躍中。

現在、愛知県立芸術大学音楽部声学科、及び石川県立金沢辰巳丘高校芸術コース声楽専攻の非常勤講師を務める。

 今回移住して7年目、金沢で初リサイタルを開催することになった。当日19時開演まず文学座所属俳優で劇作家の瀬戸口郁氏の語りでスタートした。第一部はゲーテの詩でヴォルフが作曲したゲーテと馴染み深い「ミニヨン」を歌った一連の4曲を軸に構成されていた。

 さらに我々にも懐かしいシューベルトのアヴェマリアやブラームスのおとめの歌等も盛り込まれていた。第二部はシェークスピアの悲劇ハムレットの恋人「オフェーリア」の悲しみと狂気をリヒャルト・シュトラウス作曲の3曲を軸に構成されていた。

 約2時間に亘るリサイタルは瀬戸口郁氏の解説と東京芸大非常勤講師の山岸茂人氏のピアノのバックアップにより時間の経過を忘れさせてくれるとともに格調高いひと時を過ごすことが出来た。

 私は田島茂代さんのオペラやミニリサイタルを含めて今回で4度目鑑賞になり益々心の深淵を臨む心地がした。リサイタル終了後田島さんを囲んで滋賀県人会会員と滋賀県人会の支援者との記念撮影に臨んだ。